プロの農業者(ファーマー)は通常、自分の田畑で農業生産を行っているものですね。しかし、「自前の田畑を持たず、家庭菜園・市民農園を渡り歩く『流し』のプロ農業者」がアメリカやイギリス、オーストラリアなどに大勢います。こうした農業者は「バックヤード・ファーマー」と呼ばれています。
バックヤード・ファーマーは、たとえば家庭菜園や市民農園をクライアントにし、定期的に巡回して農作業を行います。有機農業に関する指導やコンサルティングも行っています。
クライアントからすると、バックヤード・ファーマーは毎日来るわけではありません。週に1日といった頻度で来ます。それ以外の、バックヤード・ファーマーの来ない日は、コンサルティングや指導を受けたことに従ってクライアントが自分で農作業をします。
こういう職業なので、バックヤード・ファーマーになれば、土地がなくても独立できます。農機や農具をそろえなくてもよいです。一方、家庭菜園や市民農園にとっても、プロのサポートを受けながら、失敗の少ない収穫が期待できます。「すご腕バックヤード・ファーマー」にもなれば、家庭菜園や市民農園の設計まで行います。
バックヤード・ファーマーはピン(単独)で動いているわけではありません。多くの場合、数人のバックヤード・ファーマーが集まって組織を作り、メンバーで分担して各地の農園を巡回しています。