ジャガイモの品質に関して重要な三要素
■ デンプンの含有量
■ 内部の生育障害
■ 加工性と保存性
バランスの良い施肥は、これら全てを良好に保つのに重要です。
塊茎の質に関して最終ユーザーにとってとても重要な要素
■ 乾物重量
■ デンプンの含有量
■ 内部の生育障害
■ 加工性
窒素は、葉と塊茎の成長を促進し、デンプンの生産を最大化します。
リンは、葉と塊茎の成長を持続させ、デンプンの質と含有量向上に効果があります。
カリウムは、水の吸収を最大化し、様々な障害を軽減します。
カルシウムは、さび病、黒斑病を最小化します。
マグネシウムは、光合成の能力を確保し成長を促します。
ホウ素は、さび病、酵素による黒色化を軽減する働きがあります。
皮の見栄え
皮の見栄えは、パック詰めされたもの、またはバラ売りのものにおいて、きれいで見栄えの良いことで、消費者の需要を喚起するのに特に重要な要素です。
表面に病痕のある塊茎は、見栄えが悪いだけでなく、概ね保存性も低下します。
適切なバランスの施肥は、塊茎表面の病気を軽減し、皮の見栄えを向上させます。
カルシウムは、塊茎表面を強化し、病気に対しての抵抗力を向上させます。
ホウ素は、カルシウムの吸収率を高め、痩果病や他の塊茎の病気を軽減します。
亜鉛は、点状腐敗病を最小限にします。
硫黄は、点状腐敗病と痩果病の両方を軽減します。
保存性と加工性
多くの国で、通年での供給を確保するため、収穫後に保存されるため保存性と加工性は見過ごせない条件です。
傷や変色が少ない塊茎は、保存しても良好な加工性を維持できます。
収穫前でのバランスの取れた施肥は、塊茎の保存性と加工性向上に効果があります。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素等は全て傷が無く、黒色化等の変色を減少させ、ジャガイモの保存と加工性向上に有効です。
本記事は、Yara英国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。
Yara International ~世界最大の老舗肥料メーカー~
Yara Internationalは、ノルウェーに本社を置く世界最大の老舗肥料メーカー。
しかし、ただ肥料を供給しているだけではありません。世界人口の増加や 異常気象・地球温暖化といった問題により生産環境・食料事情が厳しくなる中で、「環境に優しい農業」をどうやって実現するのか?という課題に取り組んでいる「環境企業」でもあります。
また、Knowledge Grows というスローガンのもと、100年を超える長い歴史を通じ、世界各国の農業者にアグロノミー(農業科学)の最先端の情報を惜しみなく提供してきました。肥料メーカーでありながら、その本質は情報提供者であり地球環境を真剣に考える教育者・啓蒙者でもあります。