農地の再生

近年「耕作放棄地」の増加が問題になっています。

2015年の農水省の統計によると、全国には、作付けがされる見込みがない「耕作放棄地」が、東京都の面積の約2倍にあたる42.5万ヘクタールもあるそうです。
耕作放棄地の増加には食料自給率が下がるという問題のほかに、病害虫を発生させ周りの優良な農地に悪影響を及ぼすという問題もあります。

農地法

農地法には、「耕作放棄地」を有効活用させるための制度が定められています。
農業委員会は、毎年1回8月ごろに、地域の農地の利用状況を調査します。「耕作放棄地」が見つかった場合は、農業委員会が所有者に利用意思を確認します。
その後、農地としての利用を促す「勧告」がなされ、それでも改善しない場合は、農地としての優遇が取り消され、固定資産税が増額されます。

耕作放棄地

「耕作放棄地」の中には、所有者が分からない土地もあります。
農業委員会が登記簿や戸籍等を取り寄せて調査し、農地の所有者が不明であった場合は、都道府県知事の「裁定」により第三者にその土地を農地として貸し付けることができます。
この制度は、2013年の農地法改正で採り入れられたもので、全国「第1号」の「裁定」は、2017年に、静岡県東伊豆町の889㎡の土地を対象として出されたそうです。

 

綾部薫平(しぶや総和法律事務所)

1977年横浜市生まれ。2001年東京大学法学部卒。2013年しぶや総和法律事務所開設し、代表に就任。2015年からG-FACTORY株式会社(マザーズ上場)の社外監査役を兼務。注力分野は一般企業法務、不動産、相続・事業承継など。訴訟など従来の弁護士業務にとどまらず、法律を出発点に関与先企業の経営課題の改善にも取り組む。「詳説不正調査の法律問題」(弘文堂 共著)、「弁護士が悩む不動産に関する法律相談」(日本加除出版 共著)など著書多数。セミナーや社員研修の講師も務める。

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