トマトに必要な栄養素

作物によって必要とする栄養素量が異なりますが、重要なのは作物が要求する栄養素を適時適量バランスよく与えることが高収量・高品質の作物を作るために不可欠です。

主要栄養素

窒素はトマトの生育初期の段階で苗の健全な成長の促進するために必要な栄養素です。トマトが窒素を吸収するピーク時期は開花直前になります。 リン酸は根の成長と開花を確実にするために必要な栄養素で定植直後にもっとも吸収されます。
カリウムはトマトにとっては窒素よりも多く必要とされる栄養素です。 カルシウムは比較的大量に必要であり、主に開花から果実の生育および収穫までに特に必要とされます。 多くの場合カルシウムは窒素と同じぐらい重要な栄養素です。 トマトに吸収される窒素、リン酸、カリウムの60%以上は果実生育のために利用されます。



カリウム、窒素、カルシウムが他の栄養素よりも特に重要となります。



窒素(N)

過度に窒素を使用するとトマトの栄養成長期を伸ばし、開花不良になったり過度に大きな果実をつけることがあります。 1トンの果実を収穫するために約5〜5.3ポンド(2.3kg~2.4kg)の窒素が消費されます。 降雨パターンによって窒素が溶脱する可能性が高い場合を除いて、窒素は定植前や定植時に元肥として施肥し、開花前に追肥として施肥することが基本となります。

リン酸(P)

リン酸は良好な根の生育と開花を確実にするために作物の生育初期の段階で必要とされます。 1トンの果実を収穫するために0.4〜0.8ポンド(0.2~0.4kg)のリン酸が消費されます。

カリウム(K)

カリウムは窒素よりも多く必要とされる栄養素です。 カリウムは果実が大きくなるときに最も必要とされ1トンの果実を収穫するために5.2〜7.2ポンド(2.4kg~3.3kg)消費されます。 カリウムの施肥は通常季節を通じて定期的に行われます。

カルシウム(Ca)

1トンの果実を収穫するために約3.4ポンド(1.5kg)のカルシウムが必要となります。 窒素と同じくらい重要な栄養素といっても過言ではありません。 カルシウムの需要のピークは開花から果実の生育、収穫までです。 カルシウムは果実に5%、それ以外の部位に95%が分布されておりカルシウムの供給は栄養生長期間中必要です。 栽培期間を通してほぼ絶え間なくカルシウムの供給が必要とされています。

苦土(Mg)

マグネシウムも同様に重要な栄養素ですが必要量はカルシウムよりも低いです。1トンの果実を収穫するのに0.6〜1.2ポンド(0.3kg~0.5kg)が必要とされ栽培期間を通じて分割して施肥するのがポイントとなります。吸収のピークは開花期と重なります。

硫黄(S)

1トンの果実を収穫するのに約1.2ポンド(0.5kg)の硫黄が栽培期間中に必要とされます。

微量要素

微量養素は量よりも微量要素間の正確なバランスを保つことの方が重要となります。 葉面分析によって不足している微量要素を突き止めて処置することが可能となります。

ホウ素(Boron)

ホウ素は重要な役割を担う微量養素の1つです。 ホウ素は果実の熟成に大きな影響を与えます。 ホウ素は植物にとって必須栄養素であり、花粉の生存率、花および果実の発達にとって重要となります。

亜鉛(Zinc)

亜鉛はもう一つの重要な微量養素です。 節間伸長に影響を与える成長調節因子(例えば、オーキシン)の生育および機能維持に重要となります。

Yara製品の詳細はこちらから
https://www.meikyo-shoji.co.jp/product/fertilizer/

 

本記事は、Yara米国法人提供の農業科学情報をGRWRSが翻訳、記事化し掲載しております。

Yara International ~世界最大の老舗肥料メーカー~

Yara Internationalは、ノルウェーに本社を置く世界最大の老舗肥料メーカー。
しかし、ただ肥料を供給しているだけではありません。世界人口の増加や 異常気象・地球温暖化といった問題により生産環境・食料事情が厳しくなる中で、「環境に優しい農業」をどうやって実現するのか?という課題に取り組んでいる「環境企業」でもあります。

また、Knowledge Grows というスローガンのもと、100年を超える長い歴史を通じ、世界各国の農業者にアグロノミー(農業科学)の最先端の情報を惜しみなく提供してきました。肥料メーカーでありながら、その本質は情報提供者であり地球環境を真剣に考える教育者・啓蒙者でもあります。

GRWRS ~食と農のアカデミー~ SNSのご紹介

Facebookページ

Twitter
Facebookグループ FARMERS ACADEMY

Youtube

関連記事

  1. アブラナ科の野菜 収量改善について

  2. 柑橘におけるカルシウムの役割

  3. 春の施肥が収量を増やす8つの理由

  4. Yaraの硝酸カルシウムは養分転流を促進

  5. タマネギの堅さを改善する

  6. Yara硝酸化成肥料 リン酸を主体としたYara社の独自製法