今回は、法人化した場合のデメリットについて記載します。
税制面のデメリット
1 事業の規模が小さい場合には、かえって税負担等が増加する
個人経営の場合には所得がないときは所得税は発生しないが、法人の場合には所得がなくても最低限地方税均等割が7万円程度(例:都道府県税2万円、市町村民税5万円)負担となる
2 会計処理が企業会計原則に基づくため、手間がかかる
3 会計事務や税務申告等を税理士に依頼する場合には、その部分の経費が発生する
その他のデメリット
1 社会保険・労働保険が強制加入となるため手間と経費が増加する
2 将来法人を解散や清算結了する場合には、時間と手間と経費(登録免許税等)がかかる
農業経営の法人化について
これはどの職種についても言えることですが、全ての方の経営を法人化する必要はありません。経営規模によっては税負担や事務処理も増加します。将来法人を辞める場合にも手間暇かかります。
しかし、必要な人材を確保する場合や農業の6次産業化など経営規模を拡大していく場合には、今後農業経営の法人化は必須条件だと思います。
農業経営者の皆様が、将来農業経営をどのようにしたいのか、5年後くらいの経営計画を考えながら検討してみて下さい。
石井宏(石井宏税理士事務所)
東京都武蔵野市にある税理士事務所です。最寄駅はJR中央線・京王井の頭線の吉祥寺駅で、住みたい街ランキングの上位に選ばれる人気の駅です。井の頭公園など、自然や公園が多いことや商業施設や飲食店が充実しているのが特徴です。 現在、上場会社の関係会社からオーナー系中小企業、不動産オーナーなど、様々な規模の法人個人の税務、会計の関与をさせていただいております。また、資産税(相続・贈与・譲渡等に関する税金)に関する相談においても多数実績がございます。 農業の事業や法人化について、税務・会計分野のサポートをさせて頂きたいと思っております。(現状、農家や法人組織等を合わせた農業経営体数は一貫して減少していますが、農業経営体のうち、法人経営体数は増加傾向で推移しております。)農業を法人化した場合にはどのようなメリットがあるのか?デメリットはないのか?さらには将来の事業承継のビジョンまで、専門的な立場から経営者の皆様と共に考えていきたいと思います。 (日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格者) |